腰の痛みと足のしびれ【腰椎椎間板ヘルニア】症状・原因・治療まとめ
1.腰椎椎間板ヘルニアについて

椎間板とは背骨の各骨の間にあるクッションのような組織を椎間板と言います。 椎間板を輪切りにすると外側は靭帯や線維輪という組織で、一番内側に髄核というゲル状の組織で成り立っています。 ヘルニアとは逸脱や突出という意味で、本来あるべき場所にないことを指し、髄核が何らかの理由により後方や外側に飛び出してしまうことを椎間板ヘルニアと言い、背骨の中でも腰で生じたものを腰椎椎間板ヘルニアといいます。
・好発年齢
好発年齢は20~40歳代ついで50~60歳代の活動性の高い男性に多いと言われています。もちろん20歳以下や60歳以降にも起こります。
・原因
原因として、若年者では運動中の無理な負荷がかかって起こることがあります。 主に重量挙げや陸上競技で重量物を扱う競技に多いとされています。 成人や高齢者では加齢によるもの、日常の姿勢や筋力の低下などにより、普段から腰部に負荷がかかり椎間板が変化してしまいます。 そのような状態で、物を持ち上げようとした時や体を動かした際に髄核が飛び出たり、椎間板が神経に触れることで症状が起こります。
・症状 症状は腰の痛みや足の痛み、痺れが主です。いわゆる「坐骨神経痛」という症状も含まれます。 他にも足の感覚異常や筋力低下、筋肉の麻痺による運動障害、圧迫の部位や程度によっては直腸や膀胱に症状が起こることもあります。 症状が突然起こる急性のものから以前から腰に痛みがあるといった慢性のものに分かれます。
・一般的な治療 痛みが強い場合には薬物療法を用いて痛みを取り除いたり、初期には仕事や運動を中止して安静にします。 筋力低下や直腸・膀胱障害などの重度の症状が起こっている場合には手術が選択されることもあります。 一般的には3ヶ月の保存療法で痛みや痺れが軽減します。 しかしそれでも効果のない場合は手術を考慮します。
・鍼灸治療
痛みの原因として椎間板ヘルニアの多くは神経の炎症によって痛みが起こります。
鍼灸治療で神経の炎症を抑えます。また痛み以外の部位に施術することで
腰への負担を減らし治癒力を高めます。
2.腰椎椎間板ヘルニアの症状
症状は急激に起こるものから徐々に痛みが起こる慢性的なものもあります。 慢性的なものでは、同じ姿勢を維持していると症状が悪化することがあります。 神経の圧迫を受ける部位によって症状の出る場所が異なります。
◇腰の痛み
急激に起こる痛みから同じ姿勢を維持するのが辛いというものまで様々です。 前者は痛みにより腰を庇うような歩き方の疼痛性跛行という歩き方をします。 他にも骨盤の片側が傾き、背骨が側弯しているような状態になります。
後者は同じ姿勢の維持により徐々に症状が悪化します。 特に立った状態や座った姿勢、体が前かがみのような姿勢を維持すると悪化します。