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東洋医学の根本治療「正気と邪気」について


【統一体観の考え】

東洋医学の大きな特徴は、人と自然を統一体としてとらえる考え方をします。

人間も自然も宇宙を構成する1つの要素ですので、お互いに影響しあい、自然も人間も同じ原則で動いています。ですから常に変化し続ける季節や昼から夜へ、夜から昼へと変化し続ける様に。人の身体も夏になれば汗をかき、夜になれば睡眠を取り、朝日が昇れば起きるように流動的に自然と人間は合わせて変化していきます。

なので、自然に逆らった生活をすると体調を崩しやすくなります。また養生を怠った人は季節の変化や環境の変化に対応できずすぐに体調不良を訴える様になります。



【正気と邪気】

東洋医学においても免疫力という概念(正気)があり、またウィルスや菌などの病気の概念(邪気)もありました。ですが名称が普段聞きなれない言葉なので一般の方が聞くと困惑してしまうのが現状です。


正気は免疫力・抵抗力・自然治癒力といった包括的な存在になります。

邪気はウィルス・菌などの感染症やアレルギー症状といった存在で他には寒さ・高温・多湿・乾燥・気圧など、自然の変化もあり邪気の原因は多種多様となります。


これらの関係性はシンプルにいうと「正気VS邪気」です。

風邪を例にすると、正気がとても強く頑丈な物であれば、周りが風邪をひいていても、自分だけは風邪をひかないのです。また風邪をひいても症状を軽減することが出来ます。

正気が弱いと1年の間に何度も風邪をひき、拗らせます。最悪は死ぬこともあります。

ですから正気は非常に大事な概念であり大切にしなければいけません。



【根本治療(正気と邪気)】

治療の本質は邪気を見抜く力だと考えます。

西洋医学でも同じで、病気に対して血液検査、レントゲン、MRIなどの検査を駆使して原因に対して手術や薬を使用します。


それと同じように東洋医学においても、患者さんの仕事・生活・思考のタイプから始まり、体質や現在の症状から考えられる原因(邪気)を特定します。

邪気の原因の特定ができると、治療の考え方はとてもシンプルで簡単で、熱が強ければ熱をとり、冷えがあれば温め、水分が多ければ水分をとる治療をします。


ですから「わるいものを取り除く」とシンプルな考え方ですね!


もう一つ治療に必要な事は正気を強く高めることです。

例えば冷え(風寒の邪気)があれば負けないように正気を高める治療を施します。

天候による変化・病気に負けない身体づくりをしなければなりません。


方法としては「運動、ストレスをためない・バランスの良い食事、睡眠時間をしっかり取る」です。これは西洋・東洋の先生たちは口をそろえて同じことを言います。非常に共通点がおおいです。


しかし、東洋医学では体質に合わせた運動、食事、養生の方法が西洋医学と全然違います。

運動の仕方によっては正気損ない、逆に症状を悪化させてしまうことがあります。


運動すると汗をかき、気の巡りが良くなり、邪気を追い出すこともできます。ですが汗出すのに少しばかり正気を消耗します。

ですから、運動量がおおいと正気の消耗が大きくなり、気が少ない(虚弱体質)体質の方は気がさらに無くなって邪気と戦う力が無くなる時があります。



東洋医学には患者さんの身体に合わせた治療法、養生法があります。当院ではそういった養生を改善するようにご指導いたします。困りの方は当院にご相談頂けたらと思います。



次回「五臓について」仮タイトル

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